LTIカスタムパラメータによる Moodle - JupyterHub連携に関する研究

日本ムードル協会全国大会発表論文集 vol.10 pp.20-25 2022.7/22

井関 文一 (Tokyo Univ. of Info. Sci.)
浦野 真典 (Tokyo Univ. of Info. Sci.)

JupyterHub を使用したプログラミング言語の学習では、ユーザが個別に環境を用意する必要がなく、非常に使い易 い学習環境を提供してくれる。さらに、Moodle の外部ツールである Learning Tools Interoperability(LTI)を併用す ると、Moodle から JupyterHub へのシングルサインオンが可能となり、アカウント管理が容易になるなどの利点が あるが、これは LTI の機能の一部を使用しているに過ぎない。今回我々は LTI の機能をさらに生かし、Moodle から JupyterHub を制御するオープンなシステムを構築した。このシステムは主に JupyterHub から呼び出される Spawner の改造とそれを制御する Moodle のモジュールの開発により実現された。このシステムを使用した場合、Moodle か らコースまたは課題ごとに JupyterHub の設定を教師が動的に変化させることが可能となるが、最大の利点はその都 度利用可能になるディスク領域を変化させることができると言う点である。通常 JupyterHub では容易に利用するデ ィスク領域を変更することは出来ず、複数のコース間で共有することとなる(変更するには管理者が手動で再設定を 行い、JupyterHub を再起動する必要がある)。一方このシステムを使用することにより、コースや課題ごとにコース の教師が専用のディスク領域を用意することができ、学習環境を分離することが可能となる。なお我々のシステムは Open Source Software として自由に使用することが可能である。

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